新年と言えば1月1日ですよね。
ヨーロッパ諸国やアメリカといった日本になじみ深い国々も同じで、世界中のカウントダウンの映像を見たことのあるひとも多いのではないでしょうか。
ところが、海外では1月1日は何の意味も持たない国があるんです!
今回は1月1日に新年を迎えない国を紹介します!
そもそもなぜ1月1日に新年に?
日本やヨーロッパ、アメリカなどで使われているカレンダーのことをグレゴリオ暦(西暦)といいます。この歴ができたのは比較的新しく16世紀のヨーロッパで誕生した暦です。
暦は古代からずれを補正するための改変を続けてきており、現在はグレゴリオ暦が普及しているということです。
実は日本も今のグレゴリオ暦を採用したのは1873年と200年も経っていないんだそう!
1月1日に新年を迎えない国はたくさんある
中国
中国では旧正月という中国独自の暦の上の正月がありますが、中国でも最近は1月1日をお祝いすることがあるそうです。(参考)
アラブ諸国
中東地域にはイスラーム暦(ヒジュラ暦)という別の暦があって、この暦の上では1月1日に新年を迎えるとは限りません。
イスラーム暦は太陽暦であるグレゴリオ暦と違い、太陰暦なので1年が354日なので毎年11日ズレることが原因です。
(西暦⇔ヒジュラ暦換算)
ですが、中東イスラーム諸国でも一般的にはグレゴリオ暦を併用していることが多く、1月1日を新年の祝日としている国もあります。(トルコ、アラブ首長国連邦など)
もともと太陰暦のずれを補正するために生まれたのが太陽暦なので、イスラーム暦の数え方は旧式と言えます。しかし、宗教上の行事や重要な出来事の日付がイスラーム暦なので現在も使用しています。
(ちなみに2024年7月8日月曜日がイスラーム暦の1446年1月1日)
ただ、ずれを放置していると農作業の時期に影響してくるので併用するということになったんだそう。
一方で中東地域では1月1日を新年と認識はしていても、特にお祝いをすることはない人も多いんだとか。
1月1日が何ら特別な日ではない国はイラン!
イランは中東にある非アラブの大国で、わが妻の祖国でもあります。
イランも現在はイスラーム国家となっていますが、イスラーム暦とは別にイラン暦というものがあります。
イラン暦では春分の日(3月21日)が新年で、私たちにとっての1月1日には何も起こりません(笑)
春分の日に新年を迎える考えはメソポタミアが起源だそうで、イラン系民族・地域*にとってこの日はノールーズ(お正月)として知られています。
(*ペルシア人・クルド人・タジク人・カザフ人・トルクメン人・キルギス人・アゼバイジャン人・アフガン人・パキスタン人など)
イラン暦って?
イラン暦はイスラーム暦と紀元は同じであるものの、太陽暦を採用しています。
そのためグレゴリオ暦とのずれが少なく、1906年にはグレゴリオ暦と完全に一致するように定められました。
新年最初の日をノールーズというのですが、実は新年は3月21日午前0時に始まるわけではないんです!
イラン暦の新年は太陽が春分点を通過する瞬間に始めるとされていて、毎年時間が違うんです。そのため3月20日に新年を迎えるということもあります。
ノールーズが近くなったらカウントダウンのページを貼りますね!
ちなみに間近でいうと、2024年3月20日水曜日の12:06にノールーズを迎えます。
コラム:イランと暦
イランでもグローバル化の流れでグレゴリオ暦を併用することがあります。
ただし一般の生活ではイラン暦を使っているので、グレゴリオ暦で日付を言ってもピンとこないことがほとんどです。
また、イスラームの宗教行事はイスラーム暦を使っています。
現在イランには3つの暦が存在してることになりますね!
実はイランが今のイスラーム共和国になる前のパフラヴィー朝では、イラン暦の紀元をヒジュラ=イスラームの預言者モハンマドのメッカからメディナへ聖遷(622年)から、古代ペルシアの王キュロス大王によるペルシア帝国の建国(紀元前550年)へと変更された時期がありました。
イスラームではなく古代ペルシアの栄光を重んじるパフラヴィー朝からイスラームによる統治を掲げる現体制に移ってからは、再びヒジュラ紀元に戻されています。