今回は、日本在住約20年のベネズエラ人男性、アレックスさんにインタビューしました!
留学で来日し、今は東京でベネズエラ産のカカオとコーヒーを輸入する仕事をしている彼。
納豆事件や、先生に「もう来ないで」と言われた話など、面白いカルチャーショックがたっぷり聞けました。
それでは早速いってみよう!
日本に来たきっかけは、マジンガーZ
ベネズエラ出身のアレックスさんが日本に来たのは2005年。いったん帰国して、2016年に再び来日し、合計で約20年を日本で過ごしています。
きっかけは、子供のころから好きだった日本のアニメや武道(合気道)でした。
「ベネズエラでは、毎日夕方4時に『マジンガーZ』が放送されていた。
今でも主題歌を思い出すと鳥肌が立つ。同じ世代の人は、みんな覚えているよ」
大学では国際貿易と経済を専攻。「教室の中だけでなく、世界を見に行きなさい」という先生の言葉に背中を押され、2000年当時、アジア最大の経済大国だった日本を選んだそうです。
日本の文部省の奨学金を得て、広島の大学院に留学しました。
広島が大好きで、特に宮島がお気に入り。好きな食べ物は、広島のお好み焼きと、梅干しだそうです(笑)
カルチャーショック①:納豆事件
広島に来たばかりのころ、毎日のようにすき家に通っていたそうです。ある日、出てきた料理には、納豆が…!
「ねばねばした豆で、強いにおいがして、こんなにいいお店でどうして腐った豆を出すんだと思った」
そこで店員さんに苦情を言いに行ってしまった
すると、近くにいた知らないお客さんが、英語で優しく食べ方を教えてくれたそうです。「恥ずかしかった」と笑っていました。
納豆は、外国人が日本で驚く食べ物の定番。苦手な人も多いですが、食べ方を教えてもらえる優しさにも感動したそうです。
カルチャーショック②:先生に「もう来ないで」
もうひとつのカルチャーショックは、指導教員の先生との出会いです。
ベネズエラでは、担当してくれる人にはすぐに会いに行き、近づくのが礼儀。
そこで、アレックスさんは来日してすぐ、アポなしで先生の研究室を訪ねて、お土産を渡しました。
先生は真剣な顔で、こう言ったそうです。
「ここに来る必要はない。もう来ないでください」
「今は日本語の勉強に集中して。6か月後に連絡します」
当時はショックで、数か月間、人との接し方が少し冷たくなってしまったそうです。
でも、のちに先生とは良い関係になり、今でも人生の恩師だと話していました。
「日本には、ものごとにはステップがある」ことを学んだ貴重な経験だったとのこと。日本のビジネスマナーを、身をもって学んだエピソードですね。
ホームステイで起きた勘違い
ホームステイでは、「日本の家庭のおもてなしは、たくさん食べ物を出してくれる。最後は丁寧に断ること」と教わっていたそうです。
食事のとき、アレックスさんは覚えた言葉でお断りしましたが、発音が少し違い、全く別の意味の言葉になってしまったそうです。ホストファミリーは一瞬静まり返ったあと、みんなで大笑いして、正しい言い方を教えてくれたとのこと。
日本語の発音は、少しの違いで別の意味になるので、外国人にとっては難しいところですね。
ベネズエラは「カカオの聖地」
現在の仕事について聞くと、ベネズエラ産カカオの魅力を熱く語ってくれました。
・ベネズエラは「カカオの聖地」と呼ばれている
・西部のマラカイボ湖の南に、野生のカカオが自然に育ったと言われる
・ペルーやエクアドルから来た品種とベネズエラのアマゾンで混ざり合い、独特の香りと風味を持つ
・アフリカのカカオは脂肪分が多く、中南米のカカオは「フレーバーカカオ」と呼ばれるほど香りが強い
日本人はカカオといえばガーナを思い浮かべるかもしれませんが、実は日本は、ベネズエラ産カカオの世界最大の輸入国なのだとか。
なぜ日本でカカオの仕事を始めたのか、と聞くと、
「奨学金で学んだ恩を、ベネズエラのために返したいと思った」と答えてくれました。
先生にも、「恩は直接返さなくていい。ベネズエラのために何かをしなさい」と言われたそうです。日本での経験が、そのままビジネスにつながっているのが素敵ですね。
ブロックチェーンを使って、カカオがどこで作られたのかを分かるようにする取り組みも行っているそうです。
「消費者がどこで、誰が、どのように作ったかを知ることは、安全と品質、倫理的な選択のために大切」と話していました。
日本のビジネスで大切なのは「信頼」とおもてなし
外国人が日本でビジネスをするときの一番のハードルは「信頼づくり」だと言われます。どう乗り越えたのか聞くと、こう答えてくれました。
・信頼づくりに決まった方法はない
・でも、相手の言語や文化、期待を理解しようと努力することは、いつでも正しいアプローチ
・お客さまとは、日本語で話すようにしている
また、日本の文化で一番ビジネスに役立っていることを聞くと、「おもてなし」との答え。「近すぎず遠すぎず、温かいけれど、やりすぎない距離感が素晴らしい」と話していました。
挨拶のカルチャーショック
最後に、挨拶のエピソードです。ベネズエラでは、女性に会ったらほほへのキスが挨拶。来日して1〜2週間は、日本人の女性の友達にも自然にしてしまい、みんな固まってしまったそうです(笑)
日本のお辞儀や電話での挨拶にも、数か月で慣れたとのこと。「どんな国でも、3か月たてば、どうすればいいかが自然に分かるようになる」という先生の言葉が、本当だったそうです。
ほかの外国人の挨拶や習慣のカルチャーショックは、こちらの記事もどうぞ。
まとめ:日本に20年住むベネズエラ人が語る日本
① きっかけは、アニメ『マジンガーZ』と日本の経済
② 納豆や、先生の「もう来ないで」に衝撃を受けた
③ ホームステイでの発音の勘違いは、今も笑い話
④ 日本は、ベネズエラ産カカオの世界最大の輸入国
⑤ 日本の「おもてなし」と信頼づくりが、ビジネスの強み
アレックスさんが扱うベネズエラ産のカカオやチョコレートの情報は、動画の説明欄をご覧ください。日本の文化に溶け込んできた20年の物語を、ぜひ動画でご覧ください!




